FIP治療、MUTIAN(ムティアン)について

MUTIANは、猫伝染性腹膜炎の特効薬として、最近報告されている製品です。

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、主に2才以下の若齢猫で発症する、致死率がほぼ100%と言われてきた難病です。
また、原因となるコロナウイルスは多くの猫が持っており、遺伝子変異によりFIPウイルスに変異し発症するとされており、どの個体でも発症し得る病気です。多頭飼育環境などでは発症しやすい傾向にあります。

これまで様々な治療法が提案されても、致死率がほぼ100%という現実が変わることはありませんでしたが、このMUTIAN投与によりFIPが完治するケースが多数報告されています。

MUTIANはエビデンスが少なく、現状ではほとんどの動物病院は取り扱っていません。
しかし、FIPは早い経過だと発症、診断から1-2週間で亡くなってしまうケースもあります。そのような状況を鑑み、希望される飼い主様には診断後早期にこの製品を提案できるよう、当院では取り扱うことに致しました。

治療期間全てのMUTIANを当院から継続処方しているなどの条件を満たしている患者様には、再発時のMUTIAN治療を無償で保証致します。

当院でのこの1年3ヶ月の治療成績に関しまして、122頭のFIP患者の治療を実施し、115頭が完治し、内1頭のみ再発しました(2022年1月時点)。再発症例も再投与を行い回復、その後は再発は起きていません。状態があまりに悪いと効果が得られにくいため、お早めの連絡、ご相談をお願いします。

在庫には限りがありますので、まずはお電話でお問合せ下さい。

※2021年6月頃より、当院では「MUTIAN」から「CFN」へ薬剤変更しております。
当院では、FIP治療に関して、以下のコラムも作成しています。
「FIP治療、MUTIAN(ムティアン)と、その後の各治療薬の再発率の違いに関して」
「当院におけるFIP治療成績と、CFN治療の概要」
「モルヌピラビルによるFIP治療」
これらをまとめたページを作成しましたので、まずはこちらをご覧ください。

【MUTIAN治療症例】

症例:
雑種猫、5ヵ月齢、未避妊メス

環境:
室内のみ、単頭飼育、飼育後2か月以上経過、混合ワクチン接種済

経過:
4日前より食欲活性の低下。
昨日かかりつけにてFIPと診断され、当院受診。

状態:
体重1.60kg、体温40.5℃
エコー検査にて胸水貯留を認める。胸水性状は黄色透明、粘稠性あり
血液検査にて、高グロブリン血症、軽度貧血、軽度黄疸を認める。

診断:
FIPウェットタイプ、中期と判断

治療:
院内にて、胸水を約30ml抜去。
MUTIAN 200mg 1カプセル、50mg 1カプセルを毎日22時に1回投与。
その他の薬剤は使用せず。

〇追加検査結果

・胸水による猫コロナウイルス遺伝子:陽性
・猫α1酸性糖タンパク(AGP):2240μg/ml (2070以上で87%FIPに肯定的)
・猫コロナウイルス抗体価:51200倍 (ほぼ100%FIPに肯定的)
・猫SAA:29.2μg/ml(炎症マーカー。正常値:6.0未満)

投与2日目(当院初診日の翌日)
・食欲活性の明らかな改善を認める。

投与4日目
・近医にて胸水貯留の確認、胸水はわずかで抜去できず。

投与1週間後
・当院にて再診。
・食欲活性は健常時と同様に戻る。
・体重1.70kg、体温38.2℃。
・エコーにて胸水消失。
・MUTIANは同量で維持。
・猫SAAは3.0未満、と正常化。

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