わかりやすい、犬と猫のフィラリア予防

フィラリアとは、心臓に寄生する細長い(体長約15-30cm)寄生虫で、犬では感染症として一般的ですが、家庭猫でも10%程度は感染しているという報告があり、当院では犬も猫も予防を推奨しています。
猫では寄生数が犬より少なく症状が発現しにくいため、あまり浸透されていませんが、突然死などを起こす原因になります。

フィラリアは、感染している犬の血液の中に幼虫がたくさん存在しており、蚊が血液と共に吸い込み、蚊の体内で成長して感染力を獲得して、正常な犬や猫の血液を吸う時に感染します。

フィラリア予防は、当院では「HDU」という基準に従い予防期間を設定しています。
HDUとは、フィラリアを媒介する蚊の体内で、フィラリアの幼虫が成熟するために必要な積算温度の単位のことです。この基準に合った暖かい環境でないと、フィラリアは感染しません。蚊がいるからといって必ずしも感染するわけではない、ということです。
※HDU:Heartworm Development heat Unit の略。

この基準に照らし合わせると、例えば沖縄ではほぼ1年中予防が必要になります。
北海道では、7月中旬~9月下旬までが感染期間となります。
神奈川県などの関東圏内では、5月初旬~11月中旬にかけて、感染が成立し得る期間となります。

下記の表は、神奈川県における、HDUに基づいたフィラリア感染期間です。

フィラリアは感染するとき、犬や猫の皮下組織にまず入り込みますが、そこで1ヵ月以上は留まります。フィラリア予防薬は、この皮下組織に存在するフィラリアを100%駆除する駆虫薬の効果があります。

5月初旬に感染があったとして、5月下旬ごろからフィラリア予防薬を開始すれば間に合う、ということです。
その後も月に1回、定期的にフィラリア予防薬を投与することで皮下組織内のフィラリアを駆除し続け、11月中旬以降に最後に投与しておけば、シーズンのフィラリア予防ができる、ということになります(当院では5月末~11月末あたりをフィラリア予防薬の投与期間としています)。

もちろん1年中投与し続けることも1つの方法であり、この期間より長く投与することは問題ありません。

フィラリア予防薬は、犬の場合、開始前に必ず血液の検査をして、感染していないことを確認する必要があります(血液は3滴あれば検査可能です)。
※猫では感染しても寄生数が少ないため、検査で陰性となることが多く、通常は検査を行い
ません。

3月~5月の間でフィラリア検査を実施していますので、この期間にフィラリア検査にお越し下さい。
また、この期間はフィラリア検査も兼ねて血液検査や画像診断をセットで行っていますので、定期的な健康診断として是非ご利用下さい。

予防薬は、犬ではおやつタイプ、猫では背中に付けるスポットタイプを推奨しています。
また、同時にノミやマダニの予防ができるものを推奨しています。
ノミやマダニの予防に関しては、通年の予防を推奨しています。

気になる点などあれば、是非ご相談下さい。
分かりにくかったらすみません、診察室でも改めてご説明致します。

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