全身麻酔をかけると、動物の体温は通常1-2℃低下します。
体格の小さい犬や猫の場合、麻酔時間の長い手術を実施する場合などは、特に顕著な体温低下が生じやすくなります。
手術中の低体温は、感染、血液凝固障害、筋弛緩遅延、麻酔覚醒遅延などのリスクになり、術後の回復が悪くなる原因になることがわかっています。
当院でも以前から手術中に保温マットを敷いたり、術後に体温低下が顕著に認められる場合にドライヤーの温風などで温めるなど、手術時の体温低下を抑える処置を行ってきましたが、この度「コクーンウォーミングシステム」を導入しました。
体全体を包むように、温風のマットを敷くことで体温低下を劇的に抑えることができる設備です。
温風マットによる保温処置は非常に効果的であることがわかっていますが、まだほとんどの動物病院には導入されていません。
現在、当院での手術は、こちらのマットを使用して実施しており、体の小さい動物における手術や、長時間かかる手術でも体温低下が生じずに手術が実施可能になりました。
今後も、より安全な麻酔管理を心がけて手術を実施していきます。