当院では2023年11月より、最新型の血球計算装置として「プロサイトDX」を導入しました。
血球計算装置は、主に赤血球、白血球、血小板などの細胞を測定する機械です。
今までの機械では、血球を見分ける仕組みが、血球の大きさの違いを見分けて区別する「インピーダンス方式」という仕組みのみでした。この仕組みだと、大きさが似ている血球を区別しにくい欠点があり、病気によっては血液塗抹などを作成し、目視で改めて判別する必要があるケースが多いものでした。
プロサイトDXでは、「インピーダンス方式」に加え、「蛍光レーザーフローサイトメトリー方式」、という別の血球判別の仕組みが備わっています。これはレーザー照射による分析を行うことで、細胞の染色度、複雑性、大きさなどを分析し見分けるため、より正確な血球計算ができます。
これにより、今まで以上に正確に細胞を分類できるようになりました。
まず、白血球の細胞数の内訳を、機械で判別できるようになりました。白血球とは、好中球やリンパ球など様々な種類の細胞をまとめた総称で、今まではその内訳を確認するには、血液塗抹を作成し目視で確認する必要がありました。
また、網状赤血球という若い赤血球の測定が可能になりました。通常はこの細胞を染色する特殊な染色法を行った血液塗抹を作成しなければ計測できない細胞でしたが、機械で同時に算出できるようになりました。
網状赤血球数を計測することで、貧血を生じている場合の診断に大きく役立ちます。
細かいデータ収集が今までより迅速かつ正確にできるようになり、スムーズに病態把握ができるようになりました。
今後とも、よろしくお願い致します。